摂食嚥下障害児の母親の育児負担感と摂食指導

【目的】本研究は,摂食嚥下障害のある子どもをもつ母親の育児負担に与える因子を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックで摂食指導を受けている18 歳以下の患児の母親に対し,摂食嚥下障害と育児負担感に関するアンケートの協力を求め,それらのうち記載内容が十分であった34 名の結果について検討した.【結果】育児負担感について,社会的制限と子どもに対する負の感情に分類して検討した.子どもについては,社会的制限において月齢が有意な正の相関を示した(r=0.385, p=0.025).負の感情においては,出生順位が一番目のほうがその他よりも有意に点数が高か...

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Published in日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 158 - 164
Main Authors 田村, 文誉, 水上, 美樹, 町田, 麗子, 児玉, 実穂, 保母, 妃美子, 礒田, 友子, 元開, 早絵, 高橋, 賢晃, 菊谷, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 31.08.2015
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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Summary:【目的】本研究は,摂食嚥下障害のある子どもをもつ母親の育児負担に与える因子を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックで摂食指導を受けている18 歳以下の患児の母親に対し,摂食嚥下障害と育児負担感に関するアンケートの協力を求め,それらのうち記載内容が十分であった34 名の結果について検討した.【結果】育児負担感について,社会的制限と子どもに対する負の感情に分類して検討した.子どもについては,社会的制限において月齢が有意な正の相関を示した(r=0.385, p=0.025).負の感情においては,出生順位が一番目のほうがその他よりも有意に点数が高かった(p<0.05).回答者については,社会的制限において相談相手のいない者は,いる者と比較して点数が有意に高かった(p<0.01).【結論】障害児への摂食指導を行ううえでは,対象患児の出生順位や母親の孤立状態への配慮が必要と考えられた.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.19.2_158