神経疾患の医薬品開発に期待すること―承認審査の立場から

「はじめに」脳神経疾患は, Alzheimer病, 脳卒中, 頭痛などのcommon diseaseから, 筋萎縮性側索硬化症や多発性硬化症などの希少疾病まで多岐にわたっており, 近年, 分子標的治療薬, 核酸・遺伝子治療の創薬も進められている. 医薬品等の有効性及び安全性を評価するために臨床試験が計画・実施されるが, 臨床試験の対象集団や有効性評価項目を検討するにあたり, 臨床評価ガイドライン, 診療ガイドライン及び診断基準, 過去の臨床試験の情報等を参考にすることは重要である. いくつかの疾患領域では国内外の規制当局が臨床評価ガイドラインを公表しているが, 学会等が臨床試験のデザインに関す...

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Published in神経治療学 Vol. 40; no. 3; pp. 184 - 186
Main Author 佐久嶋, 研
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2023
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.40.3_184

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Summary:「はじめに」脳神経疾患は, Alzheimer病, 脳卒中, 頭痛などのcommon diseaseから, 筋萎縮性側索硬化症や多発性硬化症などの希少疾病まで多岐にわたっており, 近年, 分子標的治療薬, 核酸・遺伝子治療の創薬も進められている. 医薬品等の有効性及び安全性を評価するために臨床試験が計画・実施されるが, 臨床試験の対象集団や有効性評価項目を検討するにあたり, 臨床評価ガイドライン, 診療ガイドライン及び診断基準, 過去の臨床試験の情報等を参考にすることは重要である. いくつかの疾患領域では国内外の規制当局が臨床評価ガイドラインを公表しているが, 学会等が臨床試験のデザインに関するガイドラインを公表している疾患領域もある. 本稿では, 神経疾患に対して近年承認された医薬品の審査報告書をとりあげ, 臨床試験と診療ガイドライン等との関連を概説する. 「I. 最近の神経疾患に対する承認品目と審査報告書」神経疾患に対する医薬品等の開発及び関連する創薬研究とその応用は急速に進んでおり, 新たな作用機序を有する医薬品やこれまで治療法がなかった疾患に対する根本的治療法が登場している.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.40.3_184