気管支喘息における気管支ファイバーの安全性(気道過敏性と気管支学的諸問題)

気管支ファイバーの気管支喘息患者に対する安全性を検討するため, 44例(アトピー型16, 感染型17, 混合型11)の喘息患者に経口的に気管支ファイバーを挿入し, 喘息症状出現の有無を観察した。また喘息患者12例と健常人10例に経気管支的に抗原を滴下し(喘息群では室内塵11, 猫毛1例, 健常人では全例生食水), 肺胞洗浄(BAL)を行い, その前後での酸素飽和度(SaO_2), パルスオキシメーター使用), ピークフロー(PEFR)と心拍数を比較した。これらの結果気管支ファイバー挿入前の2%塩酸リドカイン液噴霧麻酔で発作をきたした者が44例中3例(6.8%), 残り41例中27例(65.9%...

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Published in気管支学 Vol. 13; no. SUPPL; pp. 117 - 121
Main Authors 中島, 宏昭, 桂, 隆志, 新井, 理之, 佐野, 弘, 廣瀬, 敬, 望月, 俊男, 杉原, 佐知子, 深浦, 麻人, 大西, 司, 佐藤, 郁世, 堀地, 直也, 鹿間, 裕介, 賀嶋, 直隆, 田沢, 公樹, 野口, 久, 高橋, 昭三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1991
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Summary:気管支ファイバーの気管支喘息患者に対する安全性を検討するため, 44例(アトピー型16, 感染型17, 混合型11)の喘息患者に経口的に気管支ファイバーを挿入し, 喘息症状出現の有無を観察した。また喘息患者12例と健常人10例に経気管支的に抗原を滴下し(喘息群では室内塵11, 猫毛1例, 健常人では全例生食水), 肺胞洗浄(BAL)を行い, その前後での酸素飽和度(SaO_2), パルスオキシメーター使用), ピークフロー(PEFR)と心拍数を比較した。これらの結果気管支ファイバー挿入前の2%塩酸リドカイン液噴霧麻酔で発作をきたした者が44例中3例(6.8%), 残り41例中27例(65.9%)で軽度の喘息または発作が出現したが, 17例(41.5%)では無症状であった。BALは健常人では全例で施行できたが, 喘息では12例中8例(66.7%)で発作のため検査を中止した。SaO_2とPEFRは検査後2時間以上低下し, 心拍数は増加した。気管支ファイバーはBAL以外では比較的安全に行えるが, BALは発作の誘発率が高く, 十分な準備が必要である。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.13.SUPPL_117