妊婦の職務・身体症状の実態と職務調整行動との関連性
本研究は、妊婦の職務状況と身体症状および職務調整行動との関連を明らかにすることを目的とし、就労妊婦70名を対象とした。5つの職務状況(持ち上げ仕事、立ち仕事、労働時間、交代勤務、重労働)の職務スコアと4つの身体症状(つわり症状、子宮収縮、腰痛、貧血症状)の症状スコア、職務調整行動実施数及び属性を収集した。本研究は、所属施設の倫理委員会の承認を得た。妊婦のうち、37.1%が職務状況の目安範囲を超え、98.6%が何らかの症状を抱えていた。職務調整行動の平均実施数は4.4回であり、そのうち97%は自分で調整する行動を実施していた。上司や周囲との調整行動を実施したのは約6割であった。職務状況の目安範囲...
Saved in:
Published in | 日本母性看護学会誌 Vol. 25; no. 1; pp. 43 - 49 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本母性看護学会
29.09.2024
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-773X 2434-6187 |
DOI | 10.32305/jjsmn.25.1_43 |
Cover
Summary: | 本研究は、妊婦の職務状況と身体症状および職務調整行動との関連を明らかにすることを目的とし、就労妊婦70名を対象とした。5つの職務状況(持ち上げ仕事、立ち仕事、労働時間、交代勤務、重労働)の職務スコアと4つの身体症状(つわり症状、子宮収縮、腰痛、貧血症状)の症状スコア、職務調整行動実施数及び属性を収集した。本研究は、所属施設の倫理委員会の承認を得た。妊婦のうち、37.1%が職務状況の目安範囲を超え、98.6%が何らかの症状を抱えていた。職務調整行動の平均実施数は4.4回であり、そのうち97%は自分で調整する行動を実施していた。上司や周囲との調整行動を実施したのは約6割であった。職務状況の目安範囲を超えているものは、「周囲と協力し調整」する行動を実施した人の割合が有意に高かった(p=.027)。約4割の妊婦が負荷のある職務状況であり、ほぼ全員が何らかの身体症状を抱えて就労していたが、主に自分で調整しており、必要時には、周囲や上司と協力しながら調整できるような支援が必要と考えられた。 |
---|---|
ISSN: | 1345-773X 2434-6187 |
DOI: | 10.32305/jjsmn.25.1_43 |