脳神経外科医が知っておくべき小児神経芽腫の特徴:急性硬膜外血腫様の画像を呈した1例

症例は1歳7か月の女児.右眼瞼皮下血腫および頭部CTで硬膜外血腫様の所見を認め増大傾向にあったため開頭血腫除去術を行った.術中所見では血腫とともに頭蓋骨の異常と硬膜外に軟部腫瘍を認めた.術後全身CTで右副腎腫瘍を認め,摘出した組織標本の病理所見を含めて神経芽腫の診断に至った.神経芽腫は早期治療介入で生命予後が改善することが知られている.しかし脳神経外科医にとって馴染みの薄い疾患であり,眼瞼皮下血腫と硬膜外血腫様の所見の合併が外傷によるものと断定せず,知識を持ち合わせることで早期治療介入できる....

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Published in小児の脳神経 Vol. 49; no. 4; pp. 178 - 182
Main Authors 坂井, 英生, 橋川, 拓郎, 菊池, 仁, 中川, 摂子, 高橋, 研二, 松本, 佳久, 上瀧, 善邦, 長田, 優衣, 髙橋, 新司, 杉田, 保雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2024
日本小児神経外科学会
Subjects
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.49.4_178

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Summary:症例は1歳7か月の女児.右眼瞼皮下血腫および頭部CTで硬膜外血腫様の所見を認め増大傾向にあったため開頭血腫除去術を行った.術中所見では血腫とともに頭蓋骨の異常と硬膜外に軟部腫瘍を認めた.術後全身CTで右副腎腫瘍を認め,摘出した組織標本の病理所見を含めて神経芽腫の診断に至った.神経芽腫は早期治療介入で生命予後が改善することが知られている.しかし脳神経外科医にとって馴染みの薄い疾患であり,眼瞼皮下血腫と硬膜外血腫様の所見の合併が外傷によるものと断定せず,知識を持ち合わせることで早期治療介入できる.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.49.4_178