製薬会社からみた医薬品開発の課題と日本神経治療学会への期待

「はじめに」日本神経治療学会は, 神経疾患の治療のさらなる充実のための臨床研究と新しい治療の発見のための協同研究活動の促進を目的としており, 実際に学会員に企業治験に関する情報提供を行い積極的に支援している. 企業治験を国内で行うにあたって製薬企業が最初に遭遇する困難は, 治験対象疾患患者の集積状況についての情報収集である. 製薬企業は個々の患者の情報にはアクセスできないので, 対象疾患の患者を多く診療していると予想される専門医に, 実際の患者数等診療状況について個別に聞き取り調査をするしかない. この調査ステップの効率化を目的として製薬企業が日本神経治療学会に期待することとしてまず考えられる...

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Published in神経治療学 Vol. 40; no. 3; pp. 179 - 183
Main Author 松田, 尚人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2023
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.40.3_179

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Summary:「はじめに」日本神経治療学会は, 神経疾患の治療のさらなる充実のための臨床研究と新しい治療の発見のための協同研究活動の促進を目的としており, 実際に学会員に企業治験に関する情報提供を行い積極的に支援している. 企業治験を国内で行うにあたって製薬企業が最初に遭遇する困難は, 治験対象疾患患者の集積状況についての情報収集である. 製薬企業は個々の患者の情報にはアクセスできないので, 対象疾患の患者を多く診療していると予想される専門医に, 実際の患者数等診療状況について個別に聞き取り調査をするしかない. この調査ステップの効率化を目的として製薬企業が日本神経治療学会に期待することとしてまず考えられることは, 治験施設選定や症例登録の支援を含む学会によるコンサルテーションサービスである. 治験実施施設以外に通院している患者がいれば, 近隣の治験実施施設への患者紹介を学会が働きかけるような仕組みがあれば良い.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.40.3_179