遅発性に水頭症病態を呈した巨大後頭部脳瘤の1例
巨大後頭部脳瘤の1例を経験したので報告する.胎児エコーで後頭部脳瘤を指摘された女児.在胎37週5日に帝王切開で出生し,生後4日目に脳瘤切除術および頭蓋骨欠損部の頭蓋形成術を施行した.術後6か月時点で多発のう胞病変を伴う水頭症病態を呈していたため,のう胞-腹腔シャント術,のう胞開窓術および頭蓋形成術を行った.初回手術では骨欠損部を吸収性プレートなどで覆わないと,術後に脳が再び突出する危険性がある.頭蓋欠損が自然に形成されることはなく,二次手術時に自家骨片を骨膜とともにrotation flapとして用いた頭蓋形成術を行うことが望ましい....
Saved in:
Published in | 小児の脳神経 Vol. 49; no. 4; pp. 172 - 177 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児神経外科学会
2024
日本小児神経外科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-8023 2435-824X |
DOI | 10.34544/jspn.49.4_172 |
Cover
Loading…
Summary: | 巨大後頭部脳瘤の1例を経験したので報告する.胎児エコーで後頭部脳瘤を指摘された女児.在胎37週5日に帝王切開で出生し,生後4日目に脳瘤切除術および頭蓋骨欠損部の頭蓋形成術を施行した.術後6か月時点で多発のう胞病変を伴う水頭症病態を呈していたため,のう胞-腹腔シャント術,のう胞開窓術および頭蓋形成術を行った.初回手術では骨欠損部を吸収性プレートなどで覆わないと,術後に脳が再び突出する危険性がある.頭蓋欠損が自然に形成されることはなく,二次手術時に自家骨片を骨膜とともにrotation flapとして用いた頭蓋形成術を行うことが望ましい. |
---|---|
ISSN: | 0387-8023 2435-824X |
DOI: | 10.34544/jspn.49.4_172 |