循環器領域へのAIの応用

「抄録」昨今, 人工知能(AI)を使ったモノやサービスの開発が盛んに行われており, 医療の分野でも人工知能を使った研究や医療機器開発が多く行われている. 循環器内科領域においても, 大量のデータをもとにしたデジタルヘルスを活用した診断支援システムなどの開発が進んでいる. 特に心電図読影の分野では画像認識技術の向上により心電図の画像データを大量に学習することで作成された人工知能を使った心電図自動診断の研究報告が多くされている. またこれまでブラックボックスとされていた人工知能の判定の過程を人間の目で可視化できるような研究も行われている. 最新の研究では, 心電図を使って人間の目では通常は心電図か...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in総合健診 Vol. 51; no. 2; pp. 229 - 235
Main Author 田村雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本総合健診医学会 10.03.2024
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「抄録」昨今, 人工知能(AI)を使ったモノやサービスの開発が盛んに行われており, 医療の分野でも人工知能を使った研究や医療機器開発が多く行われている. 循環器内科領域においても, 大量のデータをもとにしたデジタルヘルスを活用した診断支援システムなどの開発が進んでいる. 特に心電図読影の分野では画像認識技術の向上により心電図の画像データを大量に学習することで作成された人工知能を使った心電図自動診断の研究報告が多くされている. またこれまでブラックボックスとされていた人工知能の判定の過程を人間の目で可視化できるような研究も行われている. 最新の研究では, 心電図を使って人間の目では通常は心電図から認識できない所見や徴候を人工知能を使って検出し, 左室機能不全や一過性心房細動の発症予測など行う技術の実用化が進んでいる. 疾患の徴候を検出するAIを利用して, 病気の発症前に高リスク群の患者を効率よくスクリーニングすることができるようになることが期待され, 予防領域にも大きなインパクトをもたらす可能性が高い.
ISSN:1347-0086
DOI:10.7143/jhep.51.229