Parkinson病の新規治療開発に挑む―バイオロジカルステージングの時代へ

「はじめに」超高齢社会に突入した我が国では, 高齢者が総人口の1/4以上を占めるに至っているばかりか, 75歳以上の後期高齢者の割合も1/8以上を占めるに至っている. この高齢化はさらに進行し, 2050年には後期高齢者の割合も1/4に到達することが予測されている. 今後, 平均寿命が延びるにつれて健康寿命との差が拡大する可能性もあり, 健康上の問題だけではなく, 医療費や介護費の増加による家計へのさらなる影響も懸念されている. 脳神経内科医が担当する多くの神経疾患は, 加齢が重要な危険因子であることから, 脳神経内科の役割の重要性が増すことは間違いない. Parkinson病(Parkins...

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Published in神経治療学 Vol. 41; no. 3; pp. 195 - 200
Main Author 服部, 信孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2024
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Summary:「はじめに」超高齢社会に突入した我が国では, 高齢者が総人口の1/4以上を占めるに至っているばかりか, 75歳以上の後期高齢者の割合も1/8以上を占めるに至っている. この高齢化はさらに進行し, 2050年には後期高齢者の割合も1/4に到達することが予測されている. 今後, 平均寿命が延びるにつれて健康寿命との差が拡大する可能性もあり, 健康上の問題だけではなく, 医療費や介護費の増加による家計へのさらなる影響も懸念されている. 脳神経内科医が担当する多くの神経疾患は, 加齢が重要な危険因子であることから, 脳神経内科の役割の重要性が増すことは間違いない. Parkinson病(Parkinson disease: PD)もまた加齢が重要な因子であり, 依然原因は明らかにされていない. 1961年にlevodopa静注治療導入以来, 対症治療としてlevodopaはゴールドスタンダードである.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.41.3_195