EVAR後のType IIエンドリークに対して外科的治療を必要とした1例

腹部ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair; EVAR)後の瘤拡大に対して開腹手術を行った1例を経験したので報告する.症例は77歳男性.2007年9月に腹部大動脈瘤に対してEVARを施行された.術後Type IIエンドリークを認め,外来でフォローアップしていた.2011年4月瘤拡大を認めるようになり,手術目的で入院した.手術は経腹膜経路で到達し,腰動脈を外側からクリッピングして瘤を切開し縫縮した.ステントグラフトは抜去しなかった.EVAR後の晩期エンドリーク治療には,経動脈的塞栓術や経腰的塞栓術などがあるが,本邦で開腹手術を要した報告は少ない.本術式は...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 599 - 602
Main Authors 津島, 義正, 田中, 恒有, 近沢, 元太, 吉鷹, 秀範, 杭ノ瀬, 昌彦, 都津川, 敏範, 石田, 敦久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.06.2012
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.21.599

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Summary:腹部ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair; EVAR)後の瘤拡大に対して開腹手術を行った1例を経験したので報告する.症例は77歳男性.2007年9月に腹部大動脈瘤に対してEVARを施行された.術後Type IIエンドリークを認め,外来でフォローアップしていた.2011年4月瘤拡大を認めるようになり,手術目的で入院した.手術は経腹膜経路で到達し,腰動脈を外側からクリッピングして瘤を切開し縫縮した.ステントグラフトは抜去しなかった.EVAR後の晩期エンドリーク治療には,経動脈的塞栓術や経腰的塞栓術などがあるが,本邦で開腹手術を要した報告は少ない.本術式は,腰動脈を処理することでエンドリークを止め,新たに人工血管置換術をする必要がなく,低侵襲であると思われた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.599