健診の腹部超音波検査により発見し腹腔鏡下摘出術がなされた副腎骨髄脂肪腫の一例

「抄録」症例は41歳男性, 2014年2月に当院健診センターを受診し, 初めて受けた健診による腹部超音波検査にて当初肝右葉と思われた領域に境界明瞭で輪郭が平滑で, 内部エコーが均一な高エコー像を認めた. 当初, 肝血管腫などを疑った. 精密検査による造影CT検査, MRI, 腹部血管造影の再検査, 内分泌血液検査および腹部超音波の再検査にて, 副腎骨髄脂肪腫と診断した. 本人の希望にて経過観察となって, 1年後に再び当院健診で行った腹部超音波検査にて腫瘤像が増大したため腹腔鏡下摘出手術を行った. 病理検査にて副腎骨髄脂肪腫と確定診断された. 「I はじめに」副腎骨髄脂肪腫は良性腫瘍であり偶発症...

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Published in総合健診 Vol. 44; no. 2; pp. 398 - 402
Main Authors 今泉知津絵, 山崎敦史, 鈴木正臣, 金田由美, 朝蔭さとみ, 斎藤百代, 豊田澄男, 瀬川昂生, 長井辰哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本総合健診医学会 2017
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Summary:「抄録」症例は41歳男性, 2014年2月に当院健診センターを受診し, 初めて受けた健診による腹部超音波検査にて当初肝右葉と思われた領域に境界明瞭で輪郭が平滑で, 内部エコーが均一な高エコー像を認めた. 当初, 肝血管腫などを疑った. 精密検査による造影CT検査, MRI, 腹部血管造影の再検査, 内分泌血液検査および腹部超音波の再検査にて, 副腎骨髄脂肪腫と診断した. 本人の希望にて経過観察となって, 1年後に再び当院健診で行った腹部超音波検査にて腫瘤像が増大したため腹腔鏡下摘出手術を行った. 病理検査にて副腎骨髄脂肪腫と確定診断された. 「I はじめに」副腎骨髄脂肪腫は良性腫瘍であり偶発症として稀に発見されることがある. 本邦においては野末が腹部腫瘍の診断のもと行われた手術例の報告を行い詳細な考察を行った. しかし術前の画像検査による確定診断は欠いている.
ISSN:1347-0086
DOI:10.7143/jhep.44.398