幽門閉塞をきたす異所性膵に対し,腫瘤核出術を施行した一例

「はじめに」胃の異所性膵は胃粘膜下腫瘍の主要な鑑別診断の一つである. 今回幽門閉塞をきたす大きな胃粘膜下腫瘍に対し, 術前診断に難渋した異所性膵を経験したので報告する. 「症例」症例: 21歳女性 主訴: 頻回の嘔吐, 経口摂取困難 既往歴: 膀胱炎 現病歴: 数年前から嘔気出現し, 近医で逆流性食道炎疑いとのことで, PPIを処方されていた. 最近頻回の嘔吐に経口摂取困難も加わり外来受診した. 上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 下部食道に粘膜障害と胃内に多量の残渣ならびに, 前庭部前壁に大きな胃粘膜下腫瘍を認めた. 十二指腸へのスコープ通過は可能であるものの幽門輪を覆うように存在してお...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 104; no. 1; pp. 68 - 70
Main Authors 星野, 光典, 御子神, 哲也, 福島, 元彦, 嘉悦, 勉, 村井, 紀元, 高木, めぐみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 21.06.2024
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.104.1_68

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Summary:「はじめに」胃の異所性膵は胃粘膜下腫瘍の主要な鑑別診断の一つである. 今回幽門閉塞をきたす大きな胃粘膜下腫瘍に対し, 術前診断に難渋した異所性膵を経験したので報告する. 「症例」症例: 21歳女性 主訴: 頻回の嘔吐, 経口摂取困難 既往歴: 膀胱炎 現病歴: 数年前から嘔気出現し, 近医で逆流性食道炎疑いとのことで, PPIを処方されていた. 最近頻回の嘔吐に経口摂取困難も加わり外来受診した. 上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 下部食道に粘膜障害と胃内に多量の残渣ならびに, 前庭部前壁に大きな胃粘膜下腫瘍を認めた. 十二指腸へのスコープ通過は可能であるものの幽門輪を覆うように存在しており, 精査加療目的に入院とした. 入院時現症: 身長158cm, 体重53kg, BMI 21.2, 血圧115/74mmHg, 心拍数87回/分, 体温36.4℃
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.104.1_68