球脊髄性筋萎縮症:これからの治療

「はじめに」近年, 神経変性疾患の病態の理解が分子レベルで進んでおり, 変性病態を阻止する疾患修飾療法(disease modifying therapy)のトランスレーショナルリサーチが進んでいる. 同時に, こうした疾患における臨床症状の発症前の病態について, バイオマーカーを用いた研究が進められている. 本稿では, 球脊髄性筋萎縮症の疾患修飾療法開発の経緯と, 発症前病態について概説する. 「I. 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)とは」球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy:SBMA)は脊髄・脳幹の下位運動ニューロンと骨格筋とが変性する遺伝性疾...

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Published in神経治療学 Vol. 35; no. 4; pp. 427 - 431
Main Authors 土方, 靖浩, 橋詰, 淳, 勝野, 雅央, 祖父江, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2018
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.35.4_427

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Summary:「はじめに」近年, 神経変性疾患の病態の理解が分子レベルで進んでおり, 変性病態を阻止する疾患修飾療法(disease modifying therapy)のトランスレーショナルリサーチが進んでいる. 同時に, こうした疾患における臨床症状の発症前の病態について, バイオマーカーを用いた研究が進められている. 本稿では, 球脊髄性筋萎縮症の疾患修飾療法開発の経緯と, 発症前病態について概説する. 「I. 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)とは」球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy:SBMA)は脊髄・脳幹の下位運動ニューロンと骨格筋とが変性する遺伝性疾患であり, 緩徐進行性で成人男性にのみ発症する. 我が国の有病率は人口10万人あたり1~2人(患者数2000人程度)と推定されており, 人種や地域による有病率の差は明らかではない.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.35.4_427