超音波内視鏡画像を用いた膵疾患診断AIの現状と課題

膵疾患はCTやMRIだけでは確定診断が困難で,超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)やEUS下吸引針生検(EUS-fine needle aspiration:EUS-FNA)などを行うことが必要であるが,術者依存が強いため質の均霑化が困難である.人工知能(artificial intelligence:AI)は医療画像診断に活用され日常臨床に浸透し始めている.膵疾患に対するAIは本邦では薬事承認されたモデルは存在しないが,膵腫瘍・膵嚢胞の検出や鑑別などを行うAIの研究報告が散見される.膵疾患は消化管疾患に比して有病率が低いため,AIの開発・検証に必要なデ...

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Published in膵臓 Vol. 40; no. 1; pp. 18 - 24
Main Authors 桑原, 崇通, 原, 和生, 羽場, 真, 奥野, のぞみ, 孝田, 博輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 28.02.2025
日本膵臓学会
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Summary:膵疾患はCTやMRIだけでは確定診断が困難で,超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)やEUS下吸引針生検(EUS-fine needle aspiration:EUS-FNA)などを行うことが必要であるが,術者依存が強いため質の均霑化が困難である.人工知能(artificial intelligence:AI)は医療画像診断に活用され日常臨床に浸透し始めている.膵疾患に対するAIは本邦では薬事承認されたモデルは存在しないが,膵腫瘍・膵嚢胞の検出や鑑別などを行うAIの研究報告が散見される.膵疾患は消化管疾患に比して有病率が低いため,AIの開発・検証に必要なデータを収集するコストが高くなってしまうためその開発が遅れている.膵疾患だけではなく有病率が低い疾患診断のためのAI開発の推進には効率的なデータ収集法・学習法を確立する必要がある.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.40.18