重度脳性麻痺に対する髄腔内バクロフェン療法後の体重変化

重症の脳性麻痺では成長期に筋肉の増加が得られず,体重低下が顕著である.今回,ITB療法から1年以上経過した脳性麻痺12例を対象とし体重を調査した.ITB前後1年間の体重変化を比較し,関与する患者の背景について検討した.12例全体での体重増加に統計学的有意差は認めなかった.ただし術前に著明な低体重や胃瘻の症例では,術後に体重増加を認めた.2年目以後は埋め込み1年ほどの体重増加は認めなかった.低体重,胃瘻栄養を行っている重症の脳性麻痺例では,ITB療法が直後の体重増加の契機になる可能性が考えられた....

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Published in小児の脳神経 Vol. 48; no. 4; pp. 339 - 343
Main Authors 相原, 英夫, 篠山, 隆司, 玉村, 宣尚, 森下, 暁二, 足立, 昌夫, 荒井, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2023
日本小児神経外科学会
Subjects
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.48.4_339

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Summary:重症の脳性麻痺では成長期に筋肉の増加が得られず,体重低下が顕著である.今回,ITB療法から1年以上経過した脳性麻痺12例を対象とし体重を調査した.ITB前後1年間の体重変化を比較し,関与する患者の背景について検討した.12例全体での体重増加に統計学的有意差は認めなかった.ただし術前に著明な低体重や胃瘻の症例では,術後に体重増加を認めた.2年目以後は埋め込み1年ほどの体重増加は認めなかった.低体重,胃瘻栄養を行っている重症の脳性麻痺例では,ITB療法が直後の体重増加の契機になる可能性が考えられた.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.48.4_339