機能性疾患の治療の進歩

「はじめに」本編では主に2023年から2024年にかけて刊行された, てんかん, 頭痛の治療の進歩に関する文献をレビューした. 2023年に報告された文献に関しては昨年の記載と重複する部分がある. 「I. てんかん」「1. 視床に対する深部脳刺激療法」近年北米を中心にてんかんに対する外科治療として視床に対する深部脳刺激療法(deep brain stimulation:DBS)がてんかん発作を抑制することが明らかになり, 治療の選択肢が広がってきている. 視床の核のうち, 特に視床前核は古典的にはPapezの回路を構成する構造であり, 内側側頭葉との結合を持っており側頭葉てんかんに対する効果が...

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Published in神経治療学 Vol. 41; no. 5; pp. 765 - 768
Main Authors 十河, 正弥, 松本, 理器
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2024
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Summary:「はじめに」本編では主に2023年から2024年にかけて刊行された, てんかん, 頭痛の治療の進歩に関する文献をレビューした. 2023年に報告された文献に関しては昨年の記載と重複する部分がある. 「I. てんかん」「1. 視床に対する深部脳刺激療法」近年北米を中心にてんかんに対する外科治療として視床に対する深部脳刺激療法(deep brain stimulation:DBS)がてんかん発作を抑制することが明らかになり, 治療の選択肢が広がってきている. 視床の核のうち, 特に視床前核は古典的にはPapezの回路を構成する構造であり, 内側側頭葉との結合を持っており側頭葉てんかんに対する効果が期待されていた. 視床前核に対する脳深部刺激は2010年に発表された110名の前向きランダム化比較試験(SANTE study)の結果を踏まえて, 2018年にU.S. Food and Drug Administration(FDA)で認可され, 2023年7月に本邦でも承認となった. 適応は18歳以上の焦点発作で3剤以上の抗発作薬に対して抵抗性の患者である.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.41.5_765