輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインVI

「【1】はじめに」輸血後GVHD(graft-versus-host disease: 移植片対宿主病)は, 救命困難で重篤な輸血合併症であり, 我が国でも少なからず発症していることから, 日本輸血学会(現 日本輸血・細胞治療学会)において平成4(1992)年1月1日「輸血用血液に対する放射線照射のガイドライン」を作成して公表した. 平成5(1993)年からの5年間は, 年間10例程度の発症が認められたが, 平成10(1998)年には2例, 翌年には4例の発症があり注意喚起とともに, 「輸血用血液に対する放射線照射のガイドライン」は適宜改訂が行われた. 日本赤十字社による「放射線照射輸血用血液...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 70; no. 5; pp. 527 - 541
Main Authors 玉井, 佳子, 大谷, 慎一, 阿南, 昌弘, 阿部, 真, 生田, 克哉, 川畑, 絹代, 北澤, 淳一, 紀野, 修一, 島, 京子, 杉本, 達哉, 中山, 享之, 浜口, 功, 藤, 理沙, 柳沢, 龍, 米村, 雄士, 加藤, 栄史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 05.10.2024
日本輸血・細胞治療学会
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Summary:「【1】はじめに」輸血後GVHD(graft-versus-host disease: 移植片対宿主病)は, 救命困難で重篤な輸血合併症であり, 我が国でも少なからず発症していることから, 日本輸血学会(現 日本輸血・細胞治療学会)において平成4(1992)年1月1日「輸血用血液に対する放射線照射のガイドライン」を作成して公表した. 平成5(1993)年からの5年間は, 年間10例程度の発症が認められたが, 平成10(1998)年には2例, 翌年には4例の発症があり注意喚起とともに, 「輸血用血液に対する放射線照射のガイドライン」は適宜改訂が行われた. 日本赤十字社による「放射線照射輸血用血液」の製造承認を受けて, 平成10(1998)年6月19日から照射輸血用血液の供給が開始された. しかし, 平成19(2007)年および平成20(2008)年の輸血・細胞治療学会総合アンケート調査では, 未照射製剤を使用した施設が少なからず存在することが判明した.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.70.527