半導体レーザーによる抗菌光線力学歯周療法―特定臨床研究の実際

レーザーとインドシアニングリーンナノ粒子を使ったポケット外からのレーザー照射による抗菌光線力学療法(a-PDT)を開発し,認定臨床研究審査会の審査を経て,試験研究を行った。a-PDTは,レーザーを光感受性物質に照射し,一重項酸素を発生させて殺菌する方法である。810 nmの波長のレーザー光は,その吸光スペクトルの特徴から生体透過性があることが知られており,この性質を利用し,ポケット外からのレーザー照射でポケット内細菌を除去する新たな方法を試みた。SPT期の歯周病患者40名を実験群とコントロール群に無作為にわけ,ポケット内細菌のコントロールが基礎研究で得られた条件で可能かを検討した。結果歯周ポケ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 64; no. 2; pp. 58 - 65
Main Authors 福田, 光男, 林, 潤一郎, 岩村, 侑樹, 佐々木, 康行, 藤村, 岳樹, 永原, 絢子, 三谷, 章雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 30.06.2022
日本歯周病学会
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Summary:レーザーとインドシアニングリーンナノ粒子を使ったポケット外からのレーザー照射による抗菌光線力学療法(a-PDT)を開発し,認定臨床研究審査会の審査を経て,試験研究を行った。a-PDTは,レーザーを光感受性物質に照射し,一重項酸素を発生させて殺菌する方法である。810 nmの波長のレーザー光は,その吸光スペクトルの特徴から生体透過性があることが知られており,この性質を利用し,ポケット外からのレーザー照射でポケット内細菌を除去する新たな方法を試みた。SPT期の歯周病患者40名を実験群とコントロール群に無作為にわけ,ポケット内細菌のコントロールが基礎研究で得られた条件で可能かを検討した。結果歯周ポケット外からのレーザー照射で,ポケット内細菌の除去は可能であった。このa-PDTの原理を紹介するとともに,平成30年から施行された臨床研究法に則った認定臨床研究審査委員会の審査を受けた諸手続きについて紹介する。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.64.58