膵癌早期発見に向けたAI画像診断支援技術の開発と今後の展望

膵癌は,全ての癌種の中でも予後不良な癌の一つであるが,上皮内癌や10 mm未満の微小病変の段階で発見できれば,根治が期待できるとされている.しかし,現時点では,膵癌を20 mm以下(Stage I以下)で発見できている例はわずか3%に過ぎない.したがって,膵癌の早期スクリーニング法の確立は喫緊の課題である.今回,我々は,富士フイルム株式会社と共同研究で,腫瘤そのものを同定する直接所見に加え,膵管拡張,膵管狭窄,膵萎縮といった膵癌の存在を示唆する間接所見をも自動的に認識できるAI画像診断支援技術を開発した.本AI画像診断支援技術により,膵癌の検診などでの拾い上げ率の向上を通じて,予後改善に繋がる...

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Published in膵臓 Vol. 40; no. 1; pp. 12 - 17
Main Authors 増田, 充弘, 山口, 尊, 村上, 卓道, 祖父江, 慶太郎, 黄, 哲久, 小林, 隆, 權田, 真知, 児玉, 裕三, 平原, 暢之, 武井, 瑞希, 三木, 美香, 小笠原, 彩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 28.02.2025
日本膵臓学会
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.40.12

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Summary:膵癌は,全ての癌種の中でも予後不良な癌の一つであるが,上皮内癌や10 mm未満の微小病変の段階で発見できれば,根治が期待できるとされている.しかし,現時点では,膵癌を20 mm以下(Stage I以下)で発見できている例はわずか3%に過ぎない.したがって,膵癌の早期スクリーニング法の確立は喫緊の課題である.今回,我々は,富士フイルム株式会社と共同研究で,腫瘤そのものを同定する直接所見に加え,膵管拡張,膵管狭窄,膵萎縮といった膵癌の存在を示唆する間接所見をも自動的に認識できるAI画像診断支援技術を開発した.本AI画像診断支援技術により,膵癌の検診などでの拾い上げ率の向上を通じて,予後改善に繋がることが期待される.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.40.12