遠隔転移を伴わない腫瘤性隆起を呈する食道原発悪性黒色腫の1例

「はじめに」食道原発悪性黒色腫(primary malignant melanoma of the esophagus; PMME)は比較的稀な疾患で, 診断時には遠隔転移しているなど急速に進行する経過をたどることが多く, 予後は極めて不良とされている. 今回, 腫瘤性隆起の形状を呈しながら同時性遠隔転移を認めなかったPMMEの1例を経験したため報告する. 「I. 症例」症例は79歳女性. 既往症としては特記すべきことなし. つかえ感を主訴に前医受診し, 上部消化管内視鏡検査にて隆起性病変を指摘され食道癌の疑いにて当院紹介受診となった. 当院における精査としての上部消化管内視鏡検査にて, 切歯...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 104; no. 1; pp. 60 - 62
Main Authors 方宇, 慶蒼, 松田, 諭, 川久保, 博文, 中村, 理恵子, 福田, 和正, 竹内, 優志, 北川, 雄光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 21.06.2024
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.104.1_60

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Summary:「はじめに」食道原発悪性黒色腫(primary malignant melanoma of the esophagus; PMME)は比較的稀な疾患で, 診断時には遠隔転移しているなど急速に進行する経過をたどることが多く, 予後は極めて不良とされている. 今回, 腫瘤性隆起の形状を呈しながら同時性遠隔転移を認めなかったPMMEの1例を経験したため報告する. 「I. 症例」症例は79歳女性. 既往症としては特記すべきことなし. つかえ感を主訴に前医受診し, 上部消化管内視鏡検査にて隆起性病変を指摘され食道癌の疑いにて当院紹介受診となった. 当院における精査としての上部消化管内視鏡検査にて, 切歯24cmから切歯28cmまで淡く黒色沈着を伴う明瞭な隆起性病変を認め, 病変は比較的柔らかく通常スコープは容易に通過した. 肛門側には黒色の平坦隆起病変を伴い切歯35cmまで連続し, その内部は大小不同の黒色点の色調濃淡を伴う拡がりを呈し, PMMEを強く疑う所見であった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.104.1_60