電気的測定法による静脈リザーバレベル測定の検討

人工心肺において静脈リザーバ(venous reservoir:VR)内の血液レベルは連続的に測定するべき重要な項目である。本研究ではVRの材質であるポリカーボネートの電気的特性を利用して静電容量(Cs)値からVRの血液レベルを測定する方法を考案し、測定周波数、ヘマトクリット(Ht)、血液量のCs値への影響について検討した。 実験1はVR壁面に電極を2枚貼り各液面レベルにおける電極間の静電容量Cs[F]を周波数100kHz~1MHzで測定した。VRには生理食塩液と牛血(Ht 20%、25%、30%)をそれぞれ充填した。実験2では円筒状容器に電極を貼り生理食塩水を充填させ周波数1MHzでCs値を...

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Published in体外循環技術 Vol. 50; no. 1; pp. 11 - 18
Main Authors 井上, 将, 木暮, 英輝, 中村, 淳史, 桑名, 克之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2023
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.50.11

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Summary:人工心肺において静脈リザーバ(venous reservoir:VR)内の血液レベルは連続的に測定するべき重要な項目である。本研究ではVRの材質であるポリカーボネートの電気的特性を利用して静電容量(Cs)値からVRの血液レベルを測定する方法を考案し、測定周波数、ヘマトクリット(Ht)、血液量のCs値への影響について検討した。 実験1はVR壁面に電極を2枚貼り各液面レベルにおける電極間の静電容量Cs[F]を周波数100kHz~1MHzで測定した。VRには生理食塩液と牛血(Ht 20%、25%、30%)をそれぞれ充填した。実験2では円筒状容器に電極を貼り生理食塩水を充填させ周波数1MHzでCs値を測定した。 実験1の結果は液面レベルが高くなるとCs値が増加し、周波数1MHzでは1.30pF/cm(生理食塩液)、1.26pF/cm(Ht 20%)、1.28pF/cm(Ht 25%)、1.13pF/cm(Ht 30%)の増加となった。実験2では1.41pF/cmとなった周波数800kHz~1MHzが血液の影響は少なく安定した測定が可能であり、様々な形状をしたVRにおいて血液レベルを連続的に測定が可能であることが示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.50.11