ユーザーテストに基づく望ましい健診結果票のあり方

「抄録」【目的】健診結果票は各施設が独自に作成しており, 様式が統一されていない. 本研究では, デザインや表現方法を変えた5種類の健診結果票を作成して, ユーザーテストを行い, 望ましい健診結果票のあり方を検討した. 【対象】インターネット調査会社の登録モニターの35~59歳男女424名【方法】全国20施設の健診結果票を調査して, 以下の5種類の健診結果票を作成した. 票A: 有所見項目を記号で示し, 最後にアドバイスを記す. 票B: 項目判定をアルファベットで示す. 票C: 項目判定を日本語単語で示す. 票D: 項目判定を一覧表に示す. 票E: 最初に総合判定を示し, アドバイスを優先順に...

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Published in総合健診 Vol. 40; no. 6; pp. 593 - 603
Main Authors 須賀万智, 小田嶋剛, 杉森裕樹, 中山健夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本総合健診医学会 2013
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Summary:「抄録」【目的】健診結果票は各施設が独自に作成しており, 様式が統一されていない. 本研究では, デザインや表現方法を変えた5種類の健診結果票を作成して, ユーザーテストを行い, 望ましい健診結果票のあり方を検討した. 【対象】インターネット調査会社の登録モニターの35~59歳男女424名【方法】全国20施設の健診結果票を調査して, 以下の5種類の健診結果票を作成した. 票A: 有所見項目を記号で示し, 最後にアドバイスを記す. 票B: 項目判定をアルファベットで示す. 票C: 項目判定を日本語単語で示す. 票D: 項目判定を一覧表に示す. 票E: 最初に総合判定を示し, アドバイスを優先順に記す. 対象者を性年齢別に無作為に4群に割り付け, 各群に2種類の健診結果票を割り当て, その評価を尋ねた. 評価項目は理解度, 難易度, デザイン(情報量, 構成, 興味, 有益, トーン, 文字サイズ, 行間)である. 【結果】問題があると判定された全7項目を正しく答えられた(問題項目完答)割合は票Aが最も低く17.0%, 票Eが最も高く38.7%であった. 票Bは票Aに比べ, 問題項目完答割合が高く, 難易度が易しく, 情報量, 構成, 興味, トーン, 文字サイズが高評価であった. 票Cは票Bに比べ, 問題項目完答割合が高く, 難易度が易しく, 情報量, 構成, 興味, 有益が高評価であった. 票Dは票Bに比べ, 情報量, 文字サイズが高評価であった. 票Eは票Cに比べ, 問題項目完答割合が高く, 難易度が易しく, デザイン7項目すべてが高評価であった. また, 票Eは改善策を講じたいと考える割合が83.0%と高かった. 【結論】評価結果を総合すると, 優れた方から票E>票C>票B≒票D>票Aの順であった. 望ましい健診結果票のあり方として, 総合判定は必要である, 項目別判定一覧表は必ずしも必要とは言えない, アドバイスは最初に置き, 優先順に並べた方が良い, 項目判定は日本語単語で示した方が良いことが示された.
ISSN:1347-0086
DOI:10.7143/jhep.40.593