人工心肺中における人工肺内圧上昇形態の違い

2018年1月から2022年12月までで、当院で発生した人工肺内圧上昇(high-pressure excursion:HPE)を認めた症例について、圧力データを主に後ろ向きに検討した。HPEの発生率は0.31%(5,180症例中16症例)で、4種の人工肺が使用されていた。それぞれの発生率は人工肺Aが0.51%(588症例中3症例)、人工肺Bが1.67%(120症例中2症例)、人工肺Cが0.37%(1,348症例中5症例)、人工肺Dが1.85%(325症例中6症例)であった。人工肺抵抗値の圧力推移で、上昇後に正常値まで帰するもの、上昇したままのもの、人工心肺が継続不可となるものが存在した。発生...

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Published in体外循環技術 Vol. 51; no. 1; pp. 27 - 36
Main Authors 佐藤, 耕一, 山下, 雄作, 中田, 貴丈, 田辺, 貴幸, 石田, 奈々絵, 田辺, 克也, 田中, 千久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2024
日本体外循環技術医学会
Subjects
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.51.27

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Summary:2018年1月から2022年12月までで、当院で発生した人工肺内圧上昇(high-pressure excursion:HPE)を認めた症例について、圧力データを主に後ろ向きに検討した。HPEの発生率は0.31%(5,180症例中16症例)で、4種の人工肺が使用されていた。それぞれの発生率は人工肺Aが0.51%(588症例中3症例)、人工肺Bが1.67%(120症例中2症例)、人工肺Cが0.37%(1,348症例中5症例)、人工肺Dが1.85%(325症例中6症例)であった。人工肺抵抗値の圧力推移で、上昇後に正常値まで帰するもの、上昇したままのもの、人工心肺が継続不可となるものが存在した。発生時期は、最も多いのは人工心肺開始直後であり、HPE全体の69%であった。我々はHPEの圧力推移と発生時期で6つの形態に分類した。それぞれの形態では危険度は異なり、形態毎の対応方法を検討しておくことが重要であると考える。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.51.27