最新の3Dプリンターを用いて製作した模型の精度および経時的寸法変化に関する研究:シリコーン印象法を用いて製作した石膏模型との比較

本研究では,口腔内スキャナーを用いて製作した3D プリンター模型の精度および経時的寸法変化を調査するため,口腔内スキャナーを用いた光学印象法と3D プリンターを用いて製作した模型,シリコーン印象法で製作した石膏模型で三次元的精度の検証を行い,経時的寸法変化についても調査を行った.上顎無歯顎模型にインプラント体を埋入し,マスターモデルを製作した後,マスターモデルに既製アバットメントを装着し,基本データの取得を行った.口腔内スキャナーでマスターモデルのスキャニングを行い(IS),3D プリンターを用いて模型を製作した(3D).シリコーン印象法を用いた石膏模型を製作するため,マスターモデルの印象採得...

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Published in日本口腔インプラント学会誌 Vol. 37; no. 3; pp. 245 - 253
Main Authors 村上, 高宏, 橋本, 直也, 津川, 順一, 岡田, 淳, 岩本, 麻也, 笹谷, 和伸, 田中, 譲治, 熱田, 亙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 30.09.2024
日本口腔インプラント学会
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.37.245

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Summary:本研究では,口腔内スキャナーを用いて製作した3D プリンター模型の精度および経時的寸法変化を調査するため,口腔内スキャナーを用いた光学印象法と3D プリンターを用いて製作した模型,シリコーン印象法で製作した石膏模型で三次元的精度の検証を行い,経時的寸法変化についても調査を行った.上顎無歯顎模型にインプラント体を埋入し,マスターモデルを製作した後,マスターモデルに既製アバットメントを装着し,基本データの取得を行った.口腔内スキャナーでマスターモデルのスキャニングを行い(IS),3D プリンターを用いて模型を製作した(3D).シリコーン印象法を用いた石膏模型を製作するため,マスターモデルの印象採得を行い,石膏を注入した(CM).次に,製作した模型を1 週間保管した後(3D-1,CM-1)と1 か月間保管した後(3D-2,CM-2)でそれぞれデータを取得した.基本データとIS,3D-1,3D-2,CM-1,CM-2 のデータはソフトウェア上で重ね合わせ,既製アバットメントの適合率の算出,統計処理を行った.その結果,IS は最も高い値を示し,3D-1,CM-1,CM-2 と3D-2 の間で統計学的な有意差を認めた.以上より,口腔内スキャナーが最も高いインプラント位置再現性を示し,3Dプリンターの模型と石膏模型のインプラント位置再現性は同等である可能性が示唆された.一方,1か月間の保存期間で,石膏模型に変形は認められなかったが,3Dプリンターの模型は大きく変形することが明らかとなった.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.37.245