口腔癌術後に発症した急性呼吸促迫症候群の1例

急性呼吸促迫症候群(ARDS)は重篤な呼吸不全で死亡率は高い疾患である。われわれは,術後の口腔癌患者で発生したARDSの症例を報告する。症例は,76歳の男性,頰粘膜癌の根治手術を受けるために入院した。患者は根治手術後に腓骨皮弁の壊死をきたし,これが原因で術後感染を起こし,ARDSを発症した。胸部X線画像では両肺の肺胞浸潤が見られた。P/F比でも気管カニューレから8l/分の酸素流量で,99.1mmHgに低下した。人工呼吸管理,創部の外科的デブリードマンと薬物療法にて加療した。肺の酸素化は,P/F比は203mmHgに改善し,10日後に呼吸器から離脱した。...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 29; no. 4; pp. 219 - 225
Main Authors 石田, 優, 柚鳥, 宏和, 橘, 進彰, 古森, 孝英, 岩谷, 博篤, 松尾, 健司, 松本, 耕祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.12.2017
日本口腔腫瘍学会
Subjects
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.29.219

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Summary:急性呼吸促迫症候群(ARDS)は重篤な呼吸不全で死亡率は高い疾患である。われわれは,術後の口腔癌患者で発生したARDSの症例を報告する。症例は,76歳の男性,頰粘膜癌の根治手術を受けるために入院した。患者は根治手術後に腓骨皮弁の壊死をきたし,これが原因で術後感染を起こし,ARDSを発症した。胸部X線画像では両肺の肺胞浸潤が見られた。P/F比でも気管カニューレから8l/分の酸素流量で,99.1mmHgに低下した。人工呼吸管理,創部の外科的デブリードマンと薬物療法にて加療した。肺の酸素化は,P/F比は203mmHgに改善し,10日後に呼吸器から離脱した。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.29.219