多発性硬化症と視神経脊髄炎;鑑別診断のポイント

「はじめに」 中枢神経における再発性の炎症性脱髄疾患は2000年ころまではすべて多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の診断で主に副腎皮質ステロイドを用いた急性期治療のみが行われてきた. その後, 抗アクアポリン4(aquaporin-4: AQP4)抗体や抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(myelin oligodendrocyte glycoprotein: MOG)抗体などの自己抗体が報告されることで, それぞれの病態に基づいた診断がなされ, 治療法も病態ごとに検証されるようになった. 本稿では, 治療法の開発が進んでいるMS, 視神経脊髄炎(neuromyel...

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Published in神経治療学 Vol. 39; no. 3; pp. 192 - 194
Main Author 中島, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2022
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.39.3_192

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Summary:「はじめに」 中枢神経における再発性の炎症性脱髄疾患は2000年ころまではすべて多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の診断で主に副腎皮質ステロイドを用いた急性期治療のみが行われてきた. その後, 抗アクアポリン4(aquaporin-4: AQP4)抗体や抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(myelin oligodendrocyte glycoprotein: MOG)抗体などの自己抗体が報告されることで, それぞれの病態に基づいた診断がなされ, 治療法も病態ごとに検証されるようになった. 本稿では, 治療法の開発が進んでいるMS, 視神経脊髄炎(neuromyelitis optica spectrum disorders: NMOSD), MOG抗体関連疾患(MOG-IgG associated disorders: MOGAD)について, それぞれの診断法および鑑別のポイントについて概説する.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.39.3_192