抗カルジオリピン抗体陽性を示した急性感音難聴

抗カルジオリピン抗体陽性を示した急性感音難聴を3例経験した. 抗カルジオリピン抗体による内耳血管の血栓症が急性感音難聴の原因であろうと推察した. 障害部位は, 症例1では低音域の聴力障害があり迷路機能低下を認めなかったことから蝸牛の頂回転, 症例2では全周波数での聴力障害および迷路機能低下を認めたことから蝸牛および前庭, 症例3では全周波数での聴力障害があり迷路機能低下を認めなかったことから蝸牛全回転であることが推察された. 治療は, ステロイド以外にプロスタグランジンE1や塩酸チクロピジンが有効であることが示唆された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 99; no. 9; pp. 1157 - 1161,1233
Main Authors 久, 和孝, 小宗, 静男, 小宮山, 荘太郎, 中村, 恭子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.1996
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:抗カルジオリピン抗体陽性を示した急性感音難聴を3例経験した. 抗カルジオリピン抗体による内耳血管の血栓症が急性感音難聴の原因であろうと推察した. 障害部位は, 症例1では低音域の聴力障害があり迷路機能低下を認めなかったことから蝸牛の頂回転, 症例2では全周波数での聴力障害および迷路機能低下を認めたことから蝸牛および前庭, 症例3では全周波数での聴力障害があり迷路機能低下を認めなかったことから蝸牛全回転であることが推察された. 治療は, ステロイド以外にプロスタグランジンE1や塩酸チクロピジンが有効であることが示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.99.1157