Nivolumab投与2年,完全奏効し投与終了とした再発転移舌癌の1例

舌癌の頸部・遠隔転移症例に対してニボルマブが完全奏効を示し,2年間投与後に定期経過観察に移行した症例を経験したので,その概要を報告する。 患者は70歳の男性で,T3N2bM0の進行舌扁平上皮癌の診断下,再建を含む手術を施行した。術後に頸部再発が確認された。そのため,シスプラチン併用化学放射線同時併用療法を完遂したが,PET/CTにて頸部・傍気管LN転移を確認したため,ニボルマブを適応した。本薬剤により腫瘍は緩徐に縮小し,投与後1年の効果判定では完全奏効と診断された。本薬剤を2年間投与し,終了とした。その後1年4か月,明らかな再発転移は認められない。  ニボルマブは高価な薬剤であるが,投与期間の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 33; no. 4; pp. 195 - 202
Main Authors 金, 裕純, 八木原, 一博, 炭野, 淳, 石井, 純一, 原口, 美穂子, 桂野, 美貴, 柴田, 真里, 石川, 文隆, 原, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2021
日本口腔腫瘍学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.33.195

Cover

Loading…
More Information
Summary:舌癌の頸部・遠隔転移症例に対してニボルマブが完全奏効を示し,2年間投与後に定期経過観察に移行した症例を経験したので,その概要を報告する。 患者は70歳の男性で,T3N2bM0の進行舌扁平上皮癌の診断下,再建を含む手術を施行した。術後に頸部再発が確認された。そのため,シスプラチン併用化学放射線同時併用療法を完遂したが,PET/CTにて頸部・傍気管LN転移を確認したため,ニボルマブを適応した。本薬剤により腫瘍は緩徐に縮小し,投与後1年の効果判定では完全奏効と診断された。本薬剤を2年間投与し,終了とした。その後1年4か月,明らかな再発転移は認められない。  ニボルマブは高価な薬剤であるが,投与期間の基準がない。本薬剤はより慎重な治療効果判定を担保しながら,投与期間に関する規定作りが待たれる。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.33.195