喉頭に発生した血管平滑筋腫の1例

我々は喉頭に発生した血管性平滑筋腫を経験したので報告した. 症例は76歳男性で主訴は嗄声であった. 腫瘍は右声帯より声門下に下垂する小豆大の表面平滑な赤色調を呈し, MRIでは周囲との境界は明瞭であった. 局所麻酔下に気管切開を施行後, 全身麻酔下にて喉頭微細手術を施行した. 我々が渉猟しえた喉頭に発生した良性平滑筋腫瘍の報告は20例 (平滑筋腫9例, 血管平滑筋腫10例, 平滑筋芽腫1例) であり, 中高年に多く発生し, 性別では男性15例女性5例であった. このうち血管平滑筋腫は9例が中高年の男性であった. 発生部位は, 声門上12例, 声門4例, 声門下4例であった. 治療は手術によるが...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 7; pp. 1119 - 1124,1253
Main Authors 鎌田, 利彦, 小川, 克二, 井口, 芳明, 中村, 要, 望月, 高行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.1995
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:我々は喉頭に発生した血管性平滑筋腫を経験したので報告した. 症例は76歳男性で主訴は嗄声であった. 腫瘍は右声帯より声門下に下垂する小豆大の表面平滑な赤色調を呈し, MRIでは周囲との境界は明瞭であった. 局所麻酔下に気管切開を施行後, 全身麻酔下にて喉頭微細手術を施行した. 我々が渉猟しえた喉頭に発生した良性平滑筋腫瘍の報告は20例 (平滑筋腫9例, 血管平滑筋腫10例, 平滑筋芽腫1例) であり, 中高年に多く発生し, 性別では男性15例女性5例であった. このうち血管平滑筋腫は9例が中高年の男性であった. 発生部位は, 声門上12例, 声門4例, 声門下4例であった. 治療は手術によるが発症部位, 形状により気管切開を必要としていた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.98.1119