頭頸部に発生した壊疽性軟部組織感染症の2症例

壊疽性軟部組織感染症は頭頸部に発生する感染症の中で致命的となりうる重篤な疾患である. 最近我々の経験した2症例を報告する. 症例1: 52歳男性, 以前に糖尿病を指摘されたが治療を中断. 左耳下部の腫脹を放置, 当科初診時には左側頭部から左鎖骨上窩に発赤腫脹が拡大し, 耳下部は自潰し悪臭のある膿が流出していた. 症例2: 55歳女性, 慢性関節リウマチにて加療中. 歯痛あり, 歯の治療後より左耳下部腫脹が出現した. 抗生剤を内服したが, 左頭頂部から両側顎下部, 右頬部にまで腫脹が拡大し, CTにて著明なガス像が認められた. 呼吸困難が出現し気管切開を施行した. いずれも適切な全身管理と局所処...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 95; no. 9; pp. 1332 - 1338,1477
Main Authors 白土, 正人, 櫻井, 時雄, 多田, 幹夫, 高橋, 和彦, 本橋, ほづみ, 馬場, 重仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.1992
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.95.1332

Cover

More Information
Summary:壊疽性軟部組織感染症は頭頸部に発生する感染症の中で致命的となりうる重篤な疾患である. 最近我々の経験した2症例を報告する. 症例1: 52歳男性, 以前に糖尿病を指摘されたが治療を中断. 左耳下部の腫脹を放置, 当科初診時には左側頭部から左鎖骨上窩に発赤腫脹が拡大し, 耳下部は自潰し悪臭のある膿が流出していた. 症例2: 55歳女性, 慢性関節リウマチにて加療中. 歯痛あり, 歯の治療後より左耳下部腫脹が出現した. 抗生剤を内服したが, 左頭頂部から両側顎下部, 右頬部にまで腫脹が拡大し, CTにて著明なガス像が認められた. 呼吸困難が出現し気管切開を施行した. いずれも適切な全身管理と局所処置により救命可能であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.95.1332