食道粘膜下に埋没した魚骨を待機的な内視鏡検査で除去できた一例

「緒言」消化管異物のうち, 10 - 20%が内視鏡治療を要する. 魚骨などの鋭的異物は消化管穿孔などの合併症リスクが高く, 発症より内視鏡治療開始までの時間が長いほど有意に合併症が増加するため, 早期治療が必要である. 一方で, 待機的内視鏡治療で食道異物を除去できた例もあり, 症例によっては発症から長時間経過している場合でも内視鏡治療で異物除去が可能であると考える. 本症例では, 食道粘膜下に埋没していた魚骨に対して, ボーリングバイオプシーにより, 待機的に異物を除去できたので報告する. 「症例」患者: 66歳, 女性. 主訴: 咽頭痛. 既往歴: 特記事項なし. 内服歴: 特記事項なし...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 104; no. 1; pp. 57 - 59
Main Authors 山根, 剛, 金子, 光太郎, 古宮, 憲一, 勝海, 愛, 鍛治場, 寛, 宮澤, 正治, 大森, 泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 21.06.2024
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.104.1_57

Cover

More Information
Summary:「緒言」消化管異物のうち, 10 - 20%が内視鏡治療を要する. 魚骨などの鋭的異物は消化管穿孔などの合併症リスクが高く, 発症より内視鏡治療開始までの時間が長いほど有意に合併症が増加するため, 早期治療が必要である. 一方で, 待機的内視鏡治療で食道異物を除去できた例もあり, 症例によっては発症から長時間経過している場合でも内視鏡治療で異物除去が可能であると考える. 本症例では, 食道粘膜下に埋没していた魚骨に対して, ボーリングバイオプシーにより, 待機的に異物を除去できたので報告する. 「症例」患者: 66歳, 女性. 主訴: 咽頭痛. 既往歴: 特記事項なし. 内服歴: 特記事項なし. 現病歴: 2023年3月20日に魚骨(鯛の骨)を誤飲し咽頭痛が出現したが, 様子を見ていた. その後も症状の改善がないため, 3日後に当院耳鼻咽喉科を受診した. 喉頭ファイバー診察で異物を認めず, 当科紹介となった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.104.1_57