粘膜切開生検にて診断し得た腸管子宮内膜症の一例
「症例」 患者は46歳女性. 便潜血陽性を契機に施行した大腸内視鏡検査で下部直腸に粘膜下腫瘍が指摘された. 粘膜生検では診断がつかず, 精査目的に紹介受診した. 血液検査:Hb:13.9g/dl, CEA:1.3ng/dl, CA19-9:14.5U/mlと, その他の項目も含め異常所見は認められなかった. 造影CT:下部直腸の左側壁に23×23mm大の腫瘤性病変を認めた. 造影MRI:腫瘤はT1・T2強調像でともに低信号として描出され, Gd-dynamic studyでは子宮内膜と同様の漸増性の増強効果が認められた. 下部消化管内視鏡検査:下部直腸の左前壁側に粘膜下腫瘍が認められた. 肛門...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 98; no. 1; pp. 115 - 117 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
25.06.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.98.1_115 |
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Summary: | 「症例」 患者は46歳女性. 便潜血陽性を契機に施行した大腸内視鏡検査で下部直腸に粘膜下腫瘍が指摘された. 粘膜生検では診断がつかず, 精査目的に紹介受診した. 血液検査:Hb:13.9g/dl, CEA:1.3ng/dl, CA19-9:14.5U/mlと, その他の項目も含め異常所見は認められなかった. 造影CT:下部直腸の左側壁に23×23mm大の腫瘤性病変を認めた. 造影MRI:腫瘤はT1・T2強調像でともに低信号として描出され, Gd-dynamic studyでは子宮内膜と同様の漸増性の増強効果が認められた. 下部消化管内視鏡検査:下部直腸の左前壁側に粘膜下腫瘍が認められた. 肛門側ではなだらかに立ち上がる壁外圧排様の隆起を形成し, その口側は襞の引きつれと伸展不良を伴う1/4周の粘膜下腫瘍が認められた. 隆起の頂部は軽度発赤する粗造な粘膜が認められたが, 上皮性腫瘍性変化はなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.98.1_115 |