特異な形態を示した直腸カルチノイドの1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 116 - 117
• Main Authors: 山村, 冬彦, 石田, 文生, 大塚, 和朗, 樫田, 博史, 笹島, 圭太, 永島, 美樹, 木暮, 悦子, 工藤, 進英, 塩川, 章, 倉橋, 利徳, 深見, 悟生, 大谷, 響, 佐々木, 廣仁, 竹内, 司, 日高, 英二, 為我井, 芳郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 拡大内視鏡; 直腸カルチノイド
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.64.2_116

「はじめに」今回我々は, 特異的な形態を示し, 質的診断に苦慮したカルチノイドの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:58歳, 女性. 主訴:便潜血反応陽性. 既往歴:高脂血症. 家族歴:父 胃癌. 現病歴:2003年5月の検診で便潜血反応陽性を指摘され, 精査加療目的にて当院紹介受診となった. 現症:体格中等. 栄養良. 血圧・脈拍・体温正常. 結膜に貧血・黄染なし. 腹部平坦・軟. 肝脾触知せず. 血液生化学検査:一般生化学検査・血算などに異常なし. セロトニン, 尿中5-HIAAなどの内分泌学的検査でも異常を認めなかった. 来院後経過:大腸内視鏡検査施行. 通常内視鏡所見で, 直腸Rb領域に表面発赤調で表面の毛細血管の拡張を伴い, 約10mm大, I sp様の形態を呈する病変を認めた(Color 1-a). 表面は凹凸不整を呈し, 病変周囲に白斑を認めた. インジゴカルミン色素撒布所見では, 凹凸不整の部位に色素の貯留を認めた(Color 1-b). クリスタルバイオレット染色所見では, 大半はVN型pit patternを呈し, 一部変形したI型pitを認めた(Color 1-c).