経口胆道鏡で診断した早期胆管癌の1例

「症例」患者:65歳, 男性. 主訴:上腹部痛. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2009年4月に食後の上腹部痛出現し近医受診した. 総胆管結石が疑われERCPを施行したが結石は明らかでなく, 総胆管内に腫瘤性病変を指摘され, 精査目的に当院紹介され受診した. 理学的所見に異常はなかった. 入院時検査所見では軽度貧血, 肝胆道系酵素の軽度上昇を認めるも黄疸は認めなかった. CEA, CA19-9は共に正常範囲内であった. 腹部造影CT検査では, 胆嚢管との合流部近傍の中部胆管内に造影効果を伴う10mm大の腫瘤性病変を認めた(Fig.1a~d). 病変による完全な総胆管の閉塞はなく...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 148 - 149
Main Authors 鎌田, 至, 五十嵐, 良典, 宅間, 健介, 岸本, 有為, 三村, 享彦, 伊藤, 謙, 藤田, 泰子, 岡野, 直樹, 住野, 泰清, 長嶋, 康雄, 大塚, 由一郎, 大久保, 陽一郎, 渋谷, 和俊, 濱中, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「症例」患者:65歳, 男性. 主訴:上腹部痛. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2009年4月に食後の上腹部痛出現し近医受診した. 総胆管結石が疑われERCPを施行したが結石は明らかでなく, 総胆管内に腫瘤性病変を指摘され, 精査目的に当院紹介され受診した. 理学的所見に異常はなかった. 入院時検査所見では軽度貧血, 肝胆道系酵素の軽度上昇を認めるも黄疸は認めなかった. CEA, CA19-9は共に正常範囲内であった. 腹部造影CT検査では, 胆嚢管との合流部近傍の中部胆管内に造影効果を伴う10mm大の腫瘤性病変を認めた(Fig.1a~d). 病変による完全な総胆管の閉塞はなく, 総胆管及び肝内胆管の拡張は認めなかった. 腫瘍の壁深達度診断のため胆道EUSを施行したところ, 総胆管内に腫瘤を認め, 腫瘤内部はlow, highが混在しやや不均一であった(Fig.2). 胆管壁最外層(第3層)の高エコー部は腫瘍深部で断裂しているように観察され, 漿膜以深への浸潤が疑われた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_148