脳ドックで発見されたtwig-like middle cerebral arteryの2症例 ─無症候性症例をどのように対処すべきか
twig-like middle cerebral artery(T-MCA)は一側中大脳動脈の狭窄と網目状の異常血管網を伴うため一側性もやもや病と鑑別する必要がある.今回,脳ドックで発見された2症例のT-MCAを報告するとともに,無症候性症例をどのように対処すべきかについて文献的に考察した.2症例とも一側性もやもや病として紹介され,脳血管撮影にてT-MCAと診断された.症例1は40歳,女性.安静時脳血流量(CBF)は正常であるが,Diamox負荷試験では脳循環予備脳の軽度低下(Stage 1)を同側MCA領域に認めた.症例2は38歳,男性.安静時CBFの低下は認めなかった.文献的には無症候性...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 52; no. 5; pp. 393 - 397 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2024
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.52.393 |
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Summary: | twig-like middle cerebral artery(T-MCA)は一側中大脳動脈の狭窄と網目状の異常血管網を伴うため一側性もやもや病と鑑別する必要がある.今回,脳ドックで発見された2症例のT-MCAを報告するとともに,無症候性症例をどのように対処すべきかについて文献的に考察した.2症例とも一側性もやもや病として紹介され,脳血管撮影にてT-MCAと診断された.症例1は40歳,女性.安静時脳血流量(CBF)は正常であるが,Diamox負荷試験では脳循環予備脳の軽度低下(Stage 1)を同側MCA領域に認めた.症例2は38歳,男性.安静時CBFの低下は認めなかった.文献的には無症候性T-MCAの30%が,将来出血性あるいは虚血性脳卒中を合併すると報告されている.したがって,無症候性T-MCA患者では,脳卒中のリスクとなる疾患の予防・治療が必要である.さらに,経過観察のために定期的な画像診断が必要である. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.52.393 |