広域・精細モニタリングのための移動作業型フィールドサーバの開発

本研究では広域・精細なモニタリングを実現する手法のひとつとして,移動作業型フィールドサーバを用いたモニタリングシステムを提案した.移動作業型フィールドサーバとは,これまでのフィールドサーバに計測位置を変更できる移動機構ユニットと柔軟なモニタリングを実現するマニピュレータを搭載したものであり,周囲のフィールドサーバとこれが連携することで効率的な操作・管理を行うことができる移動計測システムを構築した.本論文では高積載量を実現し,搭載面を水平に保ちつつ不整地を安定して歩行できる移動機構ユニットと,軽量・省電力で広範囲の作業領域をもつマニピュレータを備えた移動作業型フィールドサーバを開発し,幾つかの評...

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Published in農業情報研究 Vol. 23; no. 4; pp. 140 - 153
Main Authors 深津, 時広, 遠藤, 玄, 伊藤, 祐太, 小林, 一樹, 斉藤, 保典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業情報学会 2014
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Summary:本研究では広域・精細なモニタリングを実現する手法のひとつとして,移動作業型フィールドサーバを用いたモニタリングシステムを提案した.移動作業型フィールドサーバとは,これまでのフィールドサーバに計測位置を変更できる移動機構ユニットと柔軟なモニタリングを実現するマニピュレータを搭載したものであり,周囲のフィールドサーバとこれが連携することで効率的な操作・管理を行うことができる移動計測システムを構築した.本論文では高積載量を実現し,搭載面を水平に保ちつつ不整地を安定して歩行できる移動機構ユニットと,軽量・省電力で広範囲の作業領域をもつマニピュレータを備えた移動作業型フィールドサーバを開発し,幾つかの評価実験を行うことで提案システムの有効性や実現可能性について検討した.特に圃場現地試験では,遠隔地の利用者が必要に応じて圃場群落内を移動させながら目的作物の詳細な生育情報を取得できることを確認した.実験結果から,提案システムが高度で汎用的なモニタリングシステムを構築し,より有用な情報の取得が可能であることを示すとともに,提案システムの実現に向けた今後の課題について明らかにした.
ISSN:0916-9482
1881-5219
DOI:10.3173/air.23.140