腰部脊柱管狭窄症の椎間孔狭窄が起こる機械的要因を分析し理学療法を行った1例
後縦靭帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament:以下OPLL)の術後,長期経過の中で発症した腰部脊柱管狭窄症(lumber spinal stenosis: 以下LSS)に対し理学療法を行った。開始当初,強い神経原性跛行を呈し歩行困難であった。OPLLによる下肢の痙性があり,股関節屈筋群,脊柱起立筋群の短縮がみられた。X線画像所見ではL4-L5およびL5-S1の椎間孔狭窄を認め,神経症状もこれに一致した。股関節屈筋群,脊柱起立筋群の過剰なフォースカップルにより骨盤が前傾し,下位腰椎の椎間孔狭窄をきたしているものと考え,運動療法を中...
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Published in | 理学療法の科学と研究 Vol. 3; no. 1; pp. 3_27 - 3_30 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 千葉県理学療法士会
30.03.2012
千葉県理学療法士会 |
Subjects | |
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ISSN | 1884-9032 2758-3864 |
DOI | 10.57476/srpt.3.1_3_27 |
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Summary: | 後縦靭帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament:以下OPLL)の術後,長期経過の中で発症した腰部脊柱管狭窄症(lumber spinal stenosis: 以下LSS)に対し理学療法を行った。開始当初,強い神経原性跛行を呈し歩行困難であった。OPLLによる下肢の痙性があり,股関節屈筋群,脊柱起立筋群の短縮がみられた。X線画像所見ではL4-L5およびL5-S1の椎間孔狭窄を認め,神経症状もこれに一致した。股関節屈筋群,脊柱起立筋群の過剰なフォースカップルにより骨盤が前傾し,下位腰椎の椎間孔狭窄をきたしているものと考え,運動療法を中心に理学療法を実施した。6ヶ月の長期経過の中で股関節の可動域は徐々に改善し,これにともない神経原性跛行も軽減した。X線画像上も腰仙角の減少,椎間孔の拡大がみられた。LSSに対する理学療法は,椎間孔狭窄がおこる機械的要因を把握し適切なアプローチをすることにより,より効果的になると思われた。 |
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ISSN: | 1884-9032 2758-3864 |
DOI: | 10.57476/srpt.3.1_3_27 |