認知症と予防医療

認知症患者は, 世界的規模で急速に増加し, 2050年には1億人を超えると推計され, その予防は医療のみならず社会的にも重要な課題となっている. 我が国でも, 65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率は, 2012年では認知症患者数が462万人で, 65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15%)と報告された. さらに, 2025年の将来推計では, 認知症患者数が約700万人, 有病率は, 5人に1人(20%)になると見込まれている. このような背景のもとに, 我が国では, 認知症施策として2019年に認知症施策推進大綱が策定された. 認知症施策推進大綱では認知症の共生と予防に重点が置かれている...

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Bibliographic Details
Published in神経治療学 Vol. 40; no. 2; pp. 83 - 85
Main Authors 脇田, 英明, 冨本, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2023
Subjects
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.40.2_83

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Summary:認知症患者は, 世界的規模で急速に増加し, 2050年には1億人を超えると推計され, その予防は医療のみならず社会的にも重要な課題となっている. 我が国でも, 65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率は, 2012年では認知症患者数が462万人で, 65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15%)と報告された. さらに, 2025年の将来推計では, 認知症患者数が約700万人, 有病率は, 5人に1人(20%)になると見込まれている. このような背景のもとに, 我が国では, 認知症施策として2019年に認知症施策推進大綱が策定された. 認知症施策推進大綱では認知症の共生と予防に重点が置かれている. 認知症予防については, 従来の生活習慣の改善による予防に加え, Alzheimer病の病態機序に作用して疾患の進行を抑制する疾患修飾薬が開発され, 軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)や早期Alzheimer病に対する新しい進行予防法として期待されている.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.40.2_83