膵炎を繰り返し胃へ穿破したIPMNの1例
「はじめに」 Intraductal papillary mucinous neoplasm(以下, IPMN)は, 機能的には粘液産生, 病理組織学的には膵管内上皮の乳頭状増生および膵管内進展という側面を有した腫瘍であり, 時に他臓器への穿破がみられることが知られている. 今回我々は, 粘液栓による膵炎を繰り返しIPMNが胃へ穿破した症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:80歳代, 女性. 主訴:心窩部痛, 発熱. 既往歴:高血圧, 骨粗鬆症. 現病歴:2009年11月よりIPMNの粘液栓による急性膵炎で入退院を繰り返していたが保存的に自然軽快していた(Fig.1-a). 2011年...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 130 - 131 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.82.1_130 |
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Summary: | 「はじめに」 Intraductal papillary mucinous neoplasm(以下, IPMN)は, 機能的には粘液産生, 病理組織学的には膵管内上皮の乳頭状増生および膵管内進展という側面を有した腫瘍であり, 時に他臓器への穿破がみられることが知られている. 今回我々は, 粘液栓による膵炎を繰り返しIPMNが胃へ穿破した症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:80歳代, 女性. 主訴:心窩部痛, 発熱. 既往歴:高血圧, 骨粗鬆症. 現病歴:2009年11月よりIPMNの粘液栓による急性膵炎で入退院を繰り返していたが保存的に自然軽快していた(Fig.1-a). 2011年11月に腹痛とIPMN増大に伴う膵管拡張で入院となった(Fig.1-b). その際の上部消化管内視鏡検査でIPMNの胃への穿破を確認した(Fig.1-c). 年齢・ADLから手術適応はなく経過観察していたが, 2012年5月, 心窩部痛と発熱を主訴に再入院となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.82.1_130 |