Morphometrics と感性工学への応用

「1. はじめに」感性工学の研究では, 評価対象の形状をカテゴリカル変数, 名義尺度として扱ってきた. たとえば, 製品の外見が横長/縦長/正方形に近い, 角丸/角があるといった区分である. デザイン要素を説明変数とし, 目的変数に感性ワードでの感性評価値をおいて数量化理論1類などで解く. この方法はさまざまなデザイン要素の混在する状況で有力であり広く使われている. その一方で数量として形状を直接扱うことはあまりなされていない. この論文では, 古生物学の分野で主に発展してきたMorphometrics(形態測定学)の手法と, その感性工学への応用について述べる. Morphometricsの...

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Published in感性工学 Vol. 8; no. 1; pp. 17 - 23
Main Author 石原, 茂和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本感性工学会 20.12.2008
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Summary:「1. はじめに」感性工学の研究では, 評価対象の形状をカテゴリカル変数, 名義尺度として扱ってきた. たとえば, 製品の外見が横長/縦長/正方形に近い, 角丸/角があるといった区分である. デザイン要素を説明変数とし, 目的変数に感性ワードでの感性評価値をおいて数量化理論1類などで解く. この方法はさまざまなデザイン要素の混在する状況で有力であり広く使われている. その一方で数量として形状を直接扱うことはあまりなされていない. この論文では, 古生物学の分野で主に発展してきたMorphometrics(形態測定学)の手法と, その感性工学への応用について述べる. Morphometricsの手法を用いることにより, かたちを統計学的に扱いうる数値に変換し, 感性との関係を分析する方法論を開発することが可能になった. かたちを数値として取り扱うことにより, 分布形の検討といった統計学の基本から, 分類や低次元空間への射影といった多変量解析によるモデル作成の可能性が広がる.
ISSN:1882-8930
2435-4481
DOI:10.5057/kansei.8.1_17