内視鏡的逆行性胆道膵管造影後に肺血栓塞栓症を発症した1例

「はじめに」肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism: PE)は, 心臓, 静脈内に形成された血栓が遊離して急激に肺血管を閉塞する疾患である. 近年, D-dimer, 造影CT検査の普及に伴い, 確定診断に至る症例が増加傾向であり, 日本での発症数は年間約8,000人程度である. 死亡率は14%程度とされており, ときとして重篤な転帰をたどる. 本疾患は外科的手術の合併症として広く知られており, 手術に応じたリスク評価に関しては, すでによく検討されている. しかし内視鏡的処置の合併症としての検討報告は少ない. 今回われわれは内視鏡的逆行性胆道膵管造影(endoscopic ret...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 92; no. 1; pp. 148 - 149
Main Authors 新井, 絢也, 船戸, 和義, 関, 道治, 黒川, 憲, 大木, 正隆, 戸田, 信夫, 加藤, 順, 柴田, 智華子, 近藤, 真由子, 小島, 健太郎, 高木, 馨, 黒崎, 滋之, 田川, 一海
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 15.06.2018
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.92.1_148

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Summary:「はじめに」肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism: PE)は, 心臓, 静脈内に形成された血栓が遊離して急激に肺血管を閉塞する疾患である. 近年, D-dimer, 造影CT検査の普及に伴い, 確定診断に至る症例が増加傾向であり, 日本での発症数は年間約8,000人程度である. 死亡率は14%程度とされており, ときとして重篤な転帰をたどる. 本疾患は外科的手術の合併症として広く知られており, 手術に応じたリスク評価に関しては, すでによく検討されている. しかし内視鏡的処置の合併症としての検討報告は少ない. 今回われわれは内視鏡的逆行性胆道膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography: ERCP)後に肺血栓塞栓症を発症した1例を経験し, その背景のリスク因子, 対策について考察したので報告する.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.92.1_148