Helicobacter Pylori除菌後スキルス胃癌の3例

「はじめに」2013年に Helicobacter Pylori (HP)胃炎に対する除菌療法が保険適用に追加承認され, HP除菌介入による胃癌予防のエビデンスがこれまでに多く報告されている一方, 除菌後発見胃癌が問題となっている. しかし, HP除菌後の発生抑制効果の報告は分化型腺癌に限られ, 低分化型腺癌に対する発生抑制については依然不明瞭なままである. 今回我々は, 除菌後毎年のサーベイランスを受けていたにも関わらず, 4型進行胃癌を指摘された3症例を経験したため報告する. 「症例1」患者: 50代女性 現病歴: 2年前にHP除菌し, その後定期的な上部消化管内視鏡検査(以下, EGD)...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 96; no. 1; pp. 112 - 114
Main Authors 十倉, 淳紀, 並河, 健, 藤崎, 順子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 26.06.2020
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」2013年に Helicobacter Pylori (HP)胃炎に対する除菌療法が保険適用に追加承認され, HP除菌介入による胃癌予防のエビデンスがこれまでに多く報告されている一方, 除菌後発見胃癌が問題となっている. しかし, HP除菌後の発生抑制効果の報告は分化型腺癌に限られ, 低分化型腺癌に対する発生抑制については依然不明瞭なままである. 今回我々は, 除菌後毎年のサーベイランスを受けていたにも関わらず, 4型進行胃癌を指摘された3症例を経験したため報告する. 「症例1」患者: 50代女性 現病歴: 2年前にHP除菌し, その後定期的な上部消化管内視鏡検査(以下, EGD)をうけていたが, 除菌2年後に4型進行胃癌を指摘され当院紹介. 血液検査所見: 特記すべき異常所見なし. 抗HPIgG抗体8.4U/mL 上部消化管内視鏡検査所見: 体下部後壁に比較的限局した粘膜襞の腫大を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.96.1_112