脳卒中後遺症者と担当理学療法士が認識している外来理学療法目標の相違 回復期後期,維持期前期,維持期後期別の比較検討

29組の脳卒中後遺症者(患者)と担当理学療法士(PT)を対象に,それぞれが認識している理学療法目標の相違を,発症からの時期別に検討した。その結果,患者は回復期後期群では運動機能改善を目標と認識していた。維持期群は歩行・運動機能の改善と認識する者と,現状維持と認識する者の両方が認められた。一方,PTは回復期後期の患者に対して社会的役割取得および歩行改善を,維持期の患者に対しては運動機能・活動の維持および社会参加の促進を目標と認識していることが示された。いずれの時期においてもそれぞれ患者とPTが認識している目標には相違が認められ,今後,両者が確実に目標を共有するための目標設定方法について検討するこ...

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Published in理学療法科学 Vol. 21; no. 3; pp. 239 - 247
Main Authors 上岡, 裕美子, 吉野, 貴子, 飯島, 節, 大橋, ゆかり, 菅谷, 公美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2006
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.21.239

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Summary:29組の脳卒中後遺症者(患者)と担当理学療法士(PT)を対象に,それぞれが認識している理学療法目標の相違を,発症からの時期別に検討した。その結果,患者は回復期後期群では運動機能改善を目標と認識していた。維持期群は歩行・運動機能の改善と認識する者と,現状維持と認識する者の両方が認められた。一方,PTは回復期後期の患者に対して社会的役割取得および歩行改善を,維持期の患者に対しては運動機能・活動の維持および社会参加の促進を目標と認識していることが示された。いずれの時期においてもそれぞれ患者とPTが認識している目標には相違が認められ,今後,両者が確実に目標を共有するための目標設定方法について検討することが必要であると考えられた。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.21.239