重度の骨格性下顎前突症患者に対して二段階の顎矯正手術を施行した1例

「緒言」顎変形症患者に対する顎矯正手術では, Le Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割術との併用は基本的術式のひとつである. しかし, 重度の骨格性下顎前突症患者では, その後方移動量が大きくなり, 骨癒合の遅延あるいは不全を生じるなど, 上記術式では対応が困難な場合がある. また, 歯科矯正治療の予測と修正が行いにくいといった問題点が生じることも考えられる. 今回われわれは重度の骨格性下顎前突症患者に対して二段階の顎矯正手術を施行し, 治療期間は延長したものの, 良好な結果を得られた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:26歳 男性 初診:2010年12月 主訴:不正咬合, 咀嚼困...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 42 - 48
Main Authors 吉田, 教明, 大場, 誠悟, 朝比奈, 泉, 南里, 篤太郎, 小原, 悠, 梯, 裕恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2015
日本顎変形症学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.25.42

Cover

More Information
Summary:「緒言」顎変形症患者に対する顎矯正手術では, Le Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割術との併用は基本的術式のひとつである. しかし, 重度の骨格性下顎前突症患者では, その後方移動量が大きくなり, 骨癒合の遅延あるいは不全を生じるなど, 上記術式では対応が困難な場合がある. また, 歯科矯正治療の予測と修正が行いにくいといった問題点が生じることも考えられる. 今回われわれは重度の骨格性下顎前突症患者に対して二段階の顎矯正手術を施行し, 治療期間は延長したものの, 良好な結果を得られた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:26歳 男性 初診:2010年12月 主訴:不正咬合, 咀嚼困難, 発音障害の改善 家族歴:特記事項なし 既往歴:特記事項なし 現病歴:不正咬合, 咀嚼困難, 発音障害の改善に対し, 2010年12月に当院矯正歯科ならびに口腔外科を受診し, 骨格性下顎前突症の診断の下に術前歯科矯正治療を開始した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.25.42