脳トレゲーム実施時の脳血流動態変化のfNIRS による評価

認知症予防策として実施されている脳トレーニングの効果を高めるには対象者に合わせた課題の選定や効果の経時的な評価が望まれる.本研究では脳トレーニング効果の客観的な評価を目的として,脳トレミニゲーム実施に伴う脳血流動態変化を近赤外分光法により測定し,脳血流動態変化とアンケートによる仕事負担量を主観的指標として両者の関連性を評価した.被験者は18 ~ 20 歳の10 名である.実験には「脳トレ:脳を活性化させる無料ミニゲーム」から3 種類の課題(図形数量,文字数量,曜日演算)を使用した.脳血液量変化量,仕事負担量のいずれも図形数量課題では他の課題に比べて有意に低く,課題が容易なことを反映している.ま...

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Published in日本臨床生理学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 61 - 68
Main Author 福田, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.05.2023
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Summary:認知症予防策として実施されている脳トレーニングの効果を高めるには対象者に合わせた課題の選定や効果の経時的な評価が望まれる.本研究では脳トレーニング効果の客観的な評価を目的として,脳トレミニゲーム実施に伴う脳血流動態変化を近赤外分光法により測定し,脳血流動態変化とアンケートによる仕事負担量を主観的指標として両者の関連性を評価した.被験者は18 ~ 20 歳の10 名である.実験には「脳トレ:脳を活性化させる無料ミニゲーム」から3 種類の課題(図形数量,文字数量,曜日演算)を使用した.脳血液量変化量,仕事負担量のいずれも図形数量課題では他の課題に比べて有意に低く,課題が容易なことを反映している.また,10 例中9 例において脳血液量変化と総負荷仕事量の課題間の大小関係が一致した.課題ごとに脳血液量変化量,仕事負担量の関連性評価を進めることが脳トレーニング課題の選定に役立つ可能性があると考えられる.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.53.2_61