スガマデクスによる筋弛緩効果拮抗における回復時ロクロニウム効果部位濃度と再クラーレ化リスクに関する検討

手術中の筋弛緩モニターから得られたTOFの値と,ロクロニウム-スガマデクス複合体の薬物動態薬力学(PK-PD)シミュレーションモデルを組み合わせた対象50例の単施設前向き試験を行い,投与後の遊離ロクロニウム効果部位濃度の推移と個体ごとの完全回復時のロクロニウム効果部位濃度(Ce_r)をKleijnらのモデルから算出した.スガマデクス添付文書に従った投与量では,Ce_rは中央値(四分位範囲)0.43(0.29〜0.62)μg/mLで,これを超えて再上昇した症例は認めず,臨床的にも残存筋弛緩/再クラーレ化を疑う症例はなかった.PK-PDモデルは遊離ロクロニウム濃度予測に有用と考える....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 安間, 記世, 長田, 理, 関口, 早恵, 前原, 康宏, 松木, 悠佳, 重見, 研司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2022
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Summary:手術中の筋弛緩モニターから得られたTOFの値と,ロクロニウム-スガマデクス複合体の薬物動態薬力学(PK-PD)シミュレーションモデルを組み合わせた対象50例の単施設前向き試験を行い,投与後の遊離ロクロニウム効果部位濃度の推移と個体ごとの完全回復時のロクロニウム効果部位濃度(Ce_r)をKleijnらのモデルから算出した.スガマデクス添付文書に従った投与量では,Ce_rは中央値(四分位範囲)0.43(0.29〜0.62)μg/mLで,これを超えて再上昇した症例は認めず,臨床的にも残存筋弛緩/再クラーレ化を疑う症例はなかった.PK-PDモデルは遊離ロクロニウム濃度予測に有用と考える.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.42.7