高血圧患者における腎機能低下と尿中バイオマーカーとの関連

超高齢社会の到来とともに,今後ますます高血圧患者およびその合併症を有する患者が増加すると考えられる.高血圧は心血管疾患の主要な危険因子であるとともに腎機能障害をも引き起こし,慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)さらには末期腎不全(End Stage Renal Disease, ESRD)のリスクを上昇させる.高血圧およびそれに伴う腎臓病の発症・進展には酸化ストレスが関与することが知られている.我々はこれまで酸化ストレスによって細胞膜上に表出するvanin-1 が高血圧モデル動物において組織学的な尿細管障害が顕性化する前に尿中に検出されることを明らかにしてきた....

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Published in日本臨床生理学会雑誌 Vol. 52; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 松岡, 裕之, 熊谷, 悦子, 細畑, 圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.02.2022
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.52.1_19

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Summary:超高齢社会の到来とともに,今後ますます高血圧患者およびその合併症を有する患者が増加すると考えられる.高血圧は心血管疾患の主要な危険因子であるとともに腎機能障害をも引き起こし,慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)さらには末期腎不全(End Stage Renal Disease, ESRD)のリスクを上昇させる.高血圧およびそれに伴う腎臓病の発症・進展には酸化ストレスが関与することが知られている.我々はこれまで酸化ストレスによって細胞膜上に表出するvanin-1 が高血圧モデル動物において組織学的な尿細管障害が顕性化する前に尿中に検出されることを明らかにしてきた.本稿では高血圧患者における腎機能低下のバイオマーカーに関する研究成果の一部と最新の知見について概説する.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.52.1_19