外来における腰痛,下肢痛に対する神経ブロック療法

「はじめに」腰下肢痛を主訴とし整形外科の外来を訪れる患者は多く, さまざまな訴えに対して従来から行われているような漫然とした消炎鎮痛剤の投与, 理学療法, 装具療法などでは不十分と考え, 神経ブロックやトリガーポイント注射などを積極的に行った結果, その有用性について報告する. I.腰痛患者の調査 当院初診前に他の整形外科を受診した腰痛1,515名中, 腰部硬膜外・仙骨部硬膜外ブロック4%, トリガーポイント注射4%でいかに少ないかがうかがわれる. II.腰痛特に間歇跛行を伴う疾患 間歇跛行を主訴とする患者では閉塞性動脈硬化症との鑑別が必要であり, 筆者は血圧脈波検査装置を用いてABPI(an...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 10 - 14
Main Authors 高山, 瑩, 伊藤, 博志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2003
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.9.10

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Summary:「はじめに」腰下肢痛を主訴とし整形外科の外来を訪れる患者は多く, さまざまな訴えに対して従来から行われているような漫然とした消炎鎮痛剤の投与, 理学療法, 装具療法などでは不十分と考え, 神経ブロックやトリガーポイント注射などを積極的に行った結果, その有用性について報告する. I.腰痛患者の調査 当院初診前に他の整形外科を受診した腰痛1,515名中, 腰部硬膜外・仙骨部硬膜外ブロック4%, トリガーポイント注射4%でいかに少ないかがうかがわれる. II.腰痛特に間歇跛行を伴う疾患 間歇跛行を主訴とする患者では閉塞性動脈硬化症との鑑別が必要であり, 筆者は血圧脈波検査装置を用いてABPI(ankle brachial pressure index)測定を行っている. 鳥畠らは整形外科を受診した間歇跛行患者の20%余に慢性動脈閉塞症の関与を認めている3). 鑑別には十分な注意が必要である. III.局所麻酔薬基準最高用量 1つの神経ブロックのみで十分な除痛が得られないとき, 種々の神経ブロックを併用すると局所麻酔薬の使用量が多くなる.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.9.10