片側のタンデム閉塞による脳梗塞をきたした両側性頚部内頚動脈解離の1例

片側のタンデム閉塞による脳梗塞で発症した両側性頚部内頚動脈解離(cervical internal carotid artery dissection:CICAD)に対して,血管内治療により両側ともに解離腔の閉鎖と血行再建を得た1例を報告した.症例は,40歳,男性.左片麻痺で搬送されたが3日前から頭痛があった.右内頚動脈起始部のテーパー状の閉塞と右中大脳動脈M1部の閉塞を認めた.遺伝子組み換え組織型プラスミノゲンアクチベーター投与下で,右中大脳動脈の機械的血栓回収を行った後で偽腔の拡大を認めていた内頚動脈にステントを留置した.左CICADに対しては,その後解離腔が拡大して内頚動脈の狭窄が増悪し...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 50; no. 5; pp. 381 - 385
Main Authors 藤浪, 亮太, 金井, 秀樹, 打田, 淳, 大野, 貴之, 大石, 龍矢, 間瀬, 光人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2022
日本脳卒中の外科学会
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Summary:片側のタンデム閉塞による脳梗塞で発症した両側性頚部内頚動脈解離(cervical internal carotid artery dissection:CICAD)に対して,血管内治療により両側ともに解離腔の閉鎖と血行再建を得た1例を報告した.症例は,40歳,男性.左片麻痺で搬送されたが3日前から頭痛があった.右内頚動脈起始部のテーパー状の閉塞と右中大脳動脈M1部の閉塞を認めた.遺伝子組み換え組織型プラスミノゲンアクチベーター投与下で,右中大脳動脈の機械的血栓回収を行った後で偽腔の拡大を認めていた内頚動脈にステントを留置した.左CICADに対しては,その後解離腔が拡大して内頚動脈の狭窄が増悪したため亜急性期にステントを留置した.特にタンデム閉塞をきたしている症例での両側 CICAD の血管内治療時には,解離による血行動態の変化を考慮することが重要である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.381