潰瘍性大腸炎に憩室炎からの膿瘍によるS状結腸狭窄を合併した1例
「はじめに」潰瘍性大腸炎は原因不明の慢性炎症性疾患であり, 下痢・血便を呈し若年に多く発症する. 一方, 大腸憩室症は便秘を伴う高齢者に多く, 時に憩室炎が合併する. すなわちこれら2疾患の好発年齢や便通状態が異なるため, これまでは潰瘍性大腸炎に憩室炎が合併することは稀であると報告されてきた. しかし, 潰瘍性大腸炎の高齢発症患者の増加あるいは若年発症者の高齢化のため, 今後は両者の合併が増加する可能性も考えられる. 今回高齢発症の潰瘍性大腸炎に憩室炎からの腹腔内膿瘍が合併し, 腸管狭窄をきたしたため手術を施行した稀な症例を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳代, 男性. 主訴:血便...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 95; no. 1; pp. 114 - 117 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
20.12.2019
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.95.1_114 |
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Summary: | 「はじめに」潰瘍性大腸炎は原因不明の慢性炎症性疾患であり, 下痢・血便を呈し若年に多く発症する. 一方, 大腸憩室症は便秘を伴う高齢者に多く, 時に憩室炎が合併する. すなわちこれら2疾患の好発年齢や便通状態が異なるため, これまでは潰瘍性大腸炎に憩室炎が合併することは稀であると報告されてきた. しかし, 潰瘍性大腸炎の高齢発症患者の増加あるいは若年発症者の高齢化のため, 今後は両者の合併が増加する可能性も考えられる. 今回高齢発症の潰瘍性大腸炎に憩室炎からの腹腔内膿瘍が合併し, 腸管狭窄をきたしたため手術を施行した稀な症例を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳代, 男性. 主訴:血便. 既往歴:胃食道逆流症. 現病歴:201X-2年に下腹部違和感, 1日4, 5行の血性下痢を主訴に近医を受診し, 左側結腸型の潰瘍性大腸炎と診断され加療されていた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.95.1_114 |